フリーランスのアーティストとして生き抜く

作家にとってフリーランスになる事の魅力は、その雇用形態の柔軟性から自由に時間を作って制作できることにある。
自由を謳歌しているのだから、年収は低くても差し支えないのだ。
生きていけるギリギリの収入があれば満足というところだろう。
しかし、アーティストなら誰でも成功を夢見るものである。
それぞれの作家にとって様々なゴールがあるが、少なくとも自分の作品だけで生活を成り立たせられること、次の作品の制作費用を捻出できることが最低条件である。パトロンでも捕まえられれば別だろうが、日本においてその可能性は限りなく低い。
成功のためには地道に制作・発表を繰り返すか、ビッグネームに認められるかしかない。いずれのしても狭き門だと考えられている。

ドイツの例を見てみよう。
ドイツにおいてアーティストはある一定の地位を得ている。
例えば、健康保険に関して半額を負担してくれる機関(KSK)があり、いわば芸術家総合総社に所属することができる。
KSKは美術作家だけではなく、音楽家、舞台芸術家など幅広くアーティスト全般を支えている。
ドイツでもフリーランスのアーティストは貧しいが、夢を見る事の代償に健康を犠牲にしていない。
しかし、KSKがアーティストのために負担する資金は必ず誰かが支払っているはずであり、それは収入の4割が税金として引かれる福祉国家ドイツの納税者である。
どこの国でもフリーランスは生きていくことが大変だが、何れにせよ周囲の理解が必要となる。

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